プルーヴェのスタンダードチェア

ジャン・プルーヴェがデザインした有名な椅子の一つです。
ナンシー大学都市のコンペをきっかけとして、1930年代から50年代にかけて製造されたので結構バリエーションがあります。
後脚を三角形のフレームで支え強度を確保する一方で、無駄を削ぎ落としたキリッとした印象がありますね。このデザインは長大作の小椅子など後世のデザイナーにも影響を与えてきました。
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バリエーションは相当ありますが、大まかにいうと

①鉄のフレーム+プライウッドの背板・座面
画像の左2枚のタイプです、どちらもジェス・アントルプリーズのHPからの抜粋です。
一番左が、1934年の製造。2番目は1950年の製造でこれがいわゆる「スタンダードチェア」の標準形です。
3番目はビニールのクッションを被せたタイプでパトリック・セガンのHPから抜粋した画像です。

②分解可能型(デモンタブルチェアー)
画像左から4枚目のタイプです。
パトリック・セガンのHPからの抜粋です。
このタイプには木製もあります。
中央の画像はアトリエ・ジャン・プルーヴェの当時のカタログで、右の画像のように組み立てが簡単にできることがわかりますね。
エキサイトISM Vol.61 芸術の秋、ジャン・プルーヴェの秋。」のイントロでも引用されています。
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③無垢板フレーム+プライウッド
最初の画像のいちばん右のタイプで
ジェス・アントルプリーズのHPからの抜粋です。
1942年の製造で、大戦で金属が不足した時期に製造されていますが、構造がしっかりしているのでしょう、今でもガタつかない秀作です。

③鉄のフレーム+アルミの背板・座面
わかりにくいですが右の画像の奥の椅子です。個人的にはこのタイプが好みですね。
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④すべてアルミ
これは、プロトタイプですが、左のデッサンには丸い穴で軽量化を両立しようとしたプルーヴェの意図が感じられます。右の設計図を見るとおそらく金型を作り、アルミ鋳造しようとしていたのでは。
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これらバリエーションは以前ご紹介した、雑誌「PEN」のプルーヴェ特集でも整理していますのでご参考まで。
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現在、スタンダードチェアはVITRA社で復刻されており、5万円程度で気軽に買えるようになりました。
ちなみにアンティークの相場ははスタンダードチェアが50万円~60万円程度、最初の画像左の初期のタイプは100万円、デモンタブルチェアーも100万円程度と結構高いです。
アンティークとVITRA社のものと形は同じですが、現在の椅子は溶接痕が綺麗ですし、プライウッド部分を見てもすぐ見分けがつきます、アンティークオーナーの方、ご安心を。
復刻してくれたVITRA社には感謝しますが、新品は金属も薄くて少し安っぽい感じがしますね。如何でしょうか。
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by ministopde | 2006-03-12 19:43 | プルーヴェ情報
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